その4【雇用保険】看護師が病院を辞めて転職する時の手続きと注意点

【雇用保険】看護師が病院を辞めて転職する時の手続きと注意点

こんにちは、美容看護師として働いているヨッピーです。

病院を退職して美容クリニックに転職しようとした時、やらなければならない行政の手続きシリーズ。

4回目の最後の回は退職後の【雇用保険】に関する手続きについて説明します。

雇用保険関連については、「やらなければならない」というものではありませんが、「やったほうがお得」「やったほうが絶対イイ」といった感じです。

これまで雇用保険料は自動で天引きされてきたわけですから、保険を利用できる時はガッツリ利用しちゃいましょう!

雇用保険(失業手当)を受給するための2つの条件

雇用保険(失業手当)を受給するための2つの条件

雇用保険(失業手当)を受け取るためには大きく2つの条件があります。

【条件1】失業状態にある

「失業状態」というのは、

看護師として働きたいという意志や能力があって転職活動をしているけれども、まだ就職できていない状態にあること

を指します。

カンタンに言ってしまうと、「頑張って転職活動してるけど、まだ転職先が決まらないよー(泣)」という状態にあることです。結婚して専業主婦になるとか、学校に通って勉強するといった場合は失業状態にはなりません。

もちろん、今まで頑張ってきたし1~2ヶ月ぐらいお休みしてから転職活動しよう、というのも失業状態に含まれません(笑)建前上はNGです。

ただ、ぶっちゃけグレーゾーンなところもあって、失業期間中24時間ずっと転職活動をするというのはもちろんムリな話ですから、空いた時間にちょっと気分転換で旅行に行くとか、そういったのはOKなんですよね。

ヨッピー

これ以上は書きませんが察してください^^;)

ちなみに妊娠や出産、育児のために退職する場合は、失業手当の「受給期間延長の手続き」を行いましょう。転職活動ができるようになってから失業手当を受け取ることができます(私はコレを利用しました^^)

妊婦の状態を隠して転職活動しているって言っても、お腹の大きさでバレちゃいますからね(汗)きちんと手続きをして、出産後から失業手当を受け取れるようにした方が精神的にもイイと思います。

【条件2】退職前の2年間で、雇用保険への加入期間が通算12ヶ月以上

退職する前の2年間のあいだで、通算して12ヶ月以上雇用保険に加入していればOKです。

この「12ヶ月」についてですが、給料を支払われた日数が11日以上ある月を1ヶ月としてカウントします。10日以下の日数しか働いていない月は1ヶ月としてカウントされません。

1年以上普通に働いてきた看護師さんであれば、特に問題ない条件だと思いますが、就業期間が短かった人はちょっと注意ですね。

ヨッピー

働き始めの月や退職月は勤務日数が少なくなることもあるので注意してください。
病院都合による退職のケースは?
倒産・解雇など病院都合による退職の場合は、退職前の1年間で、雇用保険への加入期間が通算6ヶ月(月に11日以上の勤務)以上あればOKです。

雇用保険(失業手当)を受給するための手続きと持ち物

雇用保険(失業手当)を受給するための手続き

基本的な申請の流れ

  1. ハローワークで求職の申込(離職票の提出)
  2. 7日間の待期期間
  3. 雇用保険受給説明会と失業認定日にハローワークへ
  4. 約1週間後に失業手当が振込
  5. その後は4週間に1度の失業認定日に出席し、約1週間で手当振込

退職後、病院からは「離職票」を受け取ります。離職票と以下の持ち物を持って住所地のハローワークに行き、求職の申し込みをします。

失業手当を申請するための持ち物

手続きする場所 住んでいる所を管轄するハローワーク
手続きする期限 退職後なるべく早く
必要な持ち物 離職票/個人番号確認書類(マイナンバーカードや通知カード)/身分証明書(運転免許証やマイナンバーカードなど)/写真(縦3cm×横2.5cm)2枚/本人名義の預金通帳またはキャッシュカード/印鑑

その後、7日間の待機期間にはいります。

待機終了後はハローワークが設定する雇用保険受給者初回説明会に出席して、

  • 雇用保険受給資格者証
  • 失業認定申告書

の書類をもらいます。

この2つは失業手当を受給するために必ず必要になるので、説明会へは必ず出席しましょう。

その後は、4週間に1回ずつ設定されている失業認定日にハローワークにいって就職活動の報告と失業の認定を受けます。

すると約1週間ぐらいして自分の口座に失業手当が振り込まれるという具合です。

あとは失業認定と手当の振込を、再就職するか給付期限が終了するまで繰り返すことになります。

注意点としては、自己都合による退職の場合、7日間の待機期間に加えて3ヶ月間の給付制限があり、この期間は手当を受け取ることができません。

退職してすぐに受け取ることができるわけではないので気を付けましょう。

ちなみに病院都合による退職の場合は、待機期間の7日を過ぎると手当を受け取ることができます。

失業手当は給料の50~80%程度

失業手当でもらえる金額は給料の50~80%程度
失業手当で振り込まれる金額は、ざっくりいうと退職前にもらっていた給料の50~80%ほど。

参考までに失業手当の金額例を計算してみました。きちんとした金額についてはハローワークで計算してもらってくださいね。

失業手当の金額例

6ヶ月間の給料 月額手当(28日分)
120万円(月20万円) 135,884円
150万円(月25万円) 153,664円
180万円(月30万円) 164,948円

具体的な計算方法ですが、まず退職前までの過去6ヶ月間に支払われた給料の総額を180で割ります。さらにその金額に50~80%の給付率を掛けます。

この金額が失業手当の1日当たりの給付額(基本手当日額)となります。

基本手当日額の計算式
過去6ヶ月間に支払われた総額給料÷180日×50~80%(給付率)
※総額給料には通勤手当・住宅手当・残業代などは含めますが、ボーナスやインセンティブは除くことになるので、年収の半年分よりも金額は低くなる点に注意です。

給付率にはかなり幅がありますが、「退職時の年齢」と「総額給料を180で割った時の金額」によって適応されるパーセンテージが変わり、金額が低いほどパーセンテージが高く設定されています。

また、基本手当日額には上限額も設定されています。毎年8月1日になると金額が変更・調整されるので、ハローワークにいった時に一応確認するようにしてください。

ちなみに、失業手当をたくさん貰いたい!と考える人の中には、退職前の6ヶ月間に猛烈に残業をして残業代を稼ぎ、失業手当をアップさせるといったことをする人もいます(汗)

ヨッピー

なかなかここまでする人も少ないと思いますけどね・・・^^;

失業手当をもらえる期間は最長で90~120日間

失業手当をもらえる期間は最長で90~120日間
失業手当がもらえる期間(所定給付日数)は退職理由や退職時の年齢、雇用保険への加入期間(勤続年数)によって変わってきます

ですが、自己都合によって退職する場合は、年齢に関係なく保険への加入期間で最長日数が設定されます。

失業手当をもらえる期間(自己都合の場合)

雇用保険加入期間料 給付日数
1年未満
1年以上~10年未満 90日
10年~20年未満 120日
20年以上 150日

このサイトに訪れてくださっている方は20代・30代の看護師さんが多いと思うので、恐らく最長90日か120日になると思います。

この日数分に先ほどの1日当たりの給付額(基本手当日額)を掛けたものが、失業手当としてもらえる最大総額になります。

ちなみに倒産や解雇、病院都合の場合は年齢と雇用保険への加入期間によって最低でも90日~最大330日に設定されています。

早めに再就職してもお金がもらえる

失業手当をもらえる期間が最長で90日か120日になると思うと書きましたが、こう聞くと

転職活動中の看護師さん

できるだけ長くもらいたい!

と思うのが人情ですよね笑

ですが自己都合の場合、「受給するための手続き」のところでも書きましたが、3ヶ月間の給付制限があるため、この期間は失業手当をもらうことはできません。

つまり失業手当をMAXまでもらおうとすると、給付制限期間3ヶ月+失業手当受給期間90日(3ヶ月)~120日(4ヶ月)となって、合計約6~7ヶ月間は無職になります。

この無職期間をどう捉えるかは人それぞれですが、

  • その間に知り合いの美容皮膚科クリニックから仕事に誘われるかもしれません。
  • ものすっごい好条件の美容外科クリニック求人の紹介があるかもしれません・・・

当然ですが再就職すると失業手当はもらえなくなります。

でも大丈夫!そんな時は「再就職手当」をもらいましょう!

実は早めに就職しても失業手当の代わりにお金がもらえるんです^^

再就職した人に用意されている3つの手当て

再就職した人に用意されている3つの手当て

再就職手当

再就職手当は、失業手当をもらう資格のある人が再就職した場合に支給されるお金です。

つまり「いつまでも無職状態で失業手当をもらってないで、さっさと再就職してよね!お祝い金あげるからさ!」っていう国からのメッセージです(笑)

ただし、大前提としては失業手当がもらえる期間(所定給付日数)が3分の1以上残っていないともらえないので注意してください!

再就職手当の計算式

残りの所定給付日数 再就職手当の金額
3分の1以上 残りの所定給付日数×基本手当日額×60%
3分の2以上 残りの所定給付日数×基本手当日額×70%

その他にも、

  • 同じ病院に再就職していない
  • 1年を超えて勤務することが確実
  • 過去3年間再就職手当をもらっていない

など、細かい条件がいくつかあるのでハローワークのサイトなどで確認してください。

再就職手当は残りの日数が3分の1を下回るとそもそも貰えなくなってしまいます。

なので再就職が決まったらなる早でハローワークに行って申請するようにしてくださいね。

再就職手当はぼちぼち知られた制度ではありますが、実は他にも就職促進定着手当就業手当といったものがあるので、簡単に紹介しておきます。

就職促進定着手当

再就職手当をもらった人で、以前よりも給料が下がっちゃった人がもらえる手当です。

引き続きその職場を6ヶ月間は辞めないことを条件に、下がった給料分の6ヶ月分が手当として支給されます。ただし上限金額もあるので該当するかなと思う人は確認してみてください。

就業手当

失業手当を受給している人が、再就職手当の支給対象にならないアルバイトなどに就いた時に支給される手当です。

残りの所定給付日数が3分の1以上(かつ45日以上)残っていないともらえないので注意してください。

支給される金額は「就業日数×基本手当日額×30%」です。こちらも上限金額や一定の条件があるので当てはまりそうな人は確認してみてください。

雇用保険に関するまとめ

雇用保険に関するまとめ
ここまで雇用保険(失業手当)の手続きや金額・期間、各種手当について説明してきました。

知らずにいると損をすることが結構多いことが分かってもらえたのではないでしょうか!?^^

税金や社会保険料は勝手に天引きされていきますが、こういった各種手当や補助金、還付金などは自分から申請しないともらえないので忘れずに手続きしましょう!

ヨッピー

もっとCMとかでばんばん告知してくれたらイイのに!って思いますよね!^^